股関節および鼡径部痛考察

X線MRIによる画像診断において股関節の物理的変形(寛骨臼や大腿骨頭の摩耗など)が無い股関節痛や鼡径部痛(股関節痛や腰痛を伴う場合が多い)における考察

以下は個人的見解なのでお試しの際は自己責任でお願いします。

関節の噛み合わせが悪い

単純に関節の噛み合わせの問題で痛みが発生している場合は、骨盤の矯正と下肢の筋肉の拘縮の解消によって痛みが低下する場合が多い。
左右の鼡径靭帯の緊張に差がある場合が多いが、骨盤の矯正とともに鼡径部に対して軽い押圧を加えて緊張を緩和することで痛みが軽減する。

なお再発率が高いため予防策が重要であるといえる。
骨盤の歪みが原因であるために原因行動を極力特定し、癖を直すことで「骨盤の歪みの発生」を予防する事が望ましい。

・足を組む
・椅子の背もたれの片側に寄りかかる座り方

多くの場合は上記の2点の改善により発生頻度が低下した。
特に右利きの人は、右手のみを使用する場合であれば左側にもたれる傾向にある。これは右手のみを使おうとした場合、左側に重心が有った方が右手の自由度が高いからと考えられる。

予防策としては、
「右手のみでの作業(例:マウス操作・事務作業)をする場合には、作業台(机)に両手を乗せて作業を進める」
ことで重心が左に偏る事が、ある程度は予防できる。
これで痛みの発生頻度が低下しないようであれば、意図的に重心を中央に…と意識する必要もある。

腰椎の歪みで股関節痛・鼡径靭帯痛に?

上記の骨盤矯正と鼡径靭帯への施術を終えても痛みが残る場合がある。
そんな時に腰椎を触診してみると第2腰椎が転位している場合がある。(酷い時には第1・第3腰椎も転位している)
そこで腰椎の矯正を試みると、転位が矯正出来た度合いと痛みの強弱に因果関係がある場合が多い。
腰椎付近における神経圧迫による発痛ということであれば関連性は納得出来る。


現状では「医学的な証明」とまでは行かないので、腰椎の転位の矯正を股関節痛・鼡径部痛の治療の定石に加える…とまでは言わないが、ついでなので腰部周辺も治療するようにしている。