2010-01-01から1年間の記事一覧

内臓-内臓反射

体性感覚神経を求心路とし、自律神経を遠心路とする反射。 多くの内臓の機能は、この反射によって常時無意識下での調整が行われている。例:血圧調整 消化 等求心路:末梢から中枢の方向に情報伝達する経路 遠心路:中枢から末梢の方向に情報伝達する経路

自律神経反射

人体には、どこかが刺激を受けたら別のどこかが影響を受ける事がある。それを反射と呼び、さらに反射の刺激伝達経路に自律神経を介する反射を自律神経反射と呼ぶ。自律神経反射には・内臓-内臓反射 ・体性-内臓反射 ・内臓-体性反射 ・軸索反射の4つが存在す…

股関節および鼡径部痛考察

X線・MRIによる画像診断において股関節の物理的変形(寛骨臼や大腿骨頭の摩耗など)が無い股関節痛や鼡径部痛(股関節痛や腰痛を伴う場合が多い)における考察以下は個人的見解なのでお試しの際は自己責任でお願いします。 関節の噛み合わせが悪い 単純に関…

マウス症候群 Vol.2

マウス症候群とはパソコンによる作業(主にマウスの操作)が長時間に及ぶ人に起りやすい症状で、重度の肩こり・手の痺れ・腕が重いといった症状を引き起こします。 このマウス症候群という名称は、日本国内においては俗称でして、病院にて診断される病名とし…

生理的湾曲について

人間の背骨(脊椎)には、理想のカーブ(湾曲)というものがあります。 首の部分:前方に反る 胸の部分:後方に反る 腰の部分:前方に反る 臀部:後方に反る というものです。 このカーブが存在することで、一か所に負担が集中することを防ぎ、全身で体重や…

副交感神経の基本作用

交感神経と対をなし、二つ揃って自律神経もしくは自律神経系と称される副交感神経。 この副交感神経とは、どのような場面で活躍する神経なのでしょうか?大雑把に分類してしまうと「次の活動に必要な準備をする行動」を司ります。例えば休息。睡眠中は副交感…

交感神経が健康を害する?

自律神経は交感神経系と副交感神経系に大別される。この二つの神経のスイッチングによって自動的に身体機能が制御され意識せずとも生命の恒常性の維持に貢献している。時として 「交感神経の活動が貴方の○○の機能を阻害しています」 などと悪者扱いされる交…

自律神経概論2

自律機能とは生命体にとって最も基本的な機能といわれる。 循環・呼吸・消化・代謝・体温維持・排泄などである。 これらの機能について、意思が介在してしまうと、生命体は感情の起伏など自らの状態によって不安定な状態に陥ってしまう。 このため、「意識的…

自律神経概論

自律神経とは交感神経と副交感神経のことを指す。交感神経とは、主に活動的な場面で機能する神経である。 副交感神経とは、主に安静時に機能する神経である。内臓や血管など意識せずとも制御されている器官は、一部ないし全部の機能が自律神経の指揮下に置か…

頭痛雑感

頭痛の治療を望む来院者が年々増加傾向にある。緊張型頭痛と思われる頸部・側頭部(頭部側面)の筋緊張を伴う頭痛もあれば、片頭痛と思われる心臓の拍動に合わせた頭痛もある。これらの患者にみられる特徴としては、第二頸椎の歪みである。下部頸椎もバラン…

尺骨神経麻痺

外傷・肘部管症候群・尺骨管症候群などによる。 知覚障害 薬指・小指および甲側に起こる。固有支配領域は小指の指腹部である。 運動障害 手の平水平方向への指の開閉が不能となる。 手指の巧緻運動が能力低下する。 薬指・小指が鷲手変形を呈する。 肘部管症…

橈骨神経麻痺

外傷性の神経圧迫・上腕外側への注射などによるものが多い。 知覚障害 前腕(肘から手首までの間)および手の橈側(手の平の親指側半分)に起こる。 固有支配領域は母指(親指)と示指(人差し指)の背側指間部(手の甲側の指の間)のみである。 運動障害 手…

回内筋症候群(円回内筋症候群)

正中神経が回内筋によって圧迫を受けて発症する。 手の痺れ・知覚低下・運動機能低下が、母指(親指)・示指(人差し指)・中指にでる。環指(薬指)の橈側(親指側)にでることもある。回内筋の炎症によって引き起こされる場合には、患部の安静・軽いマッサ…

正中神経麻痺とは

高位麻痺と低位麻痺に分類されるが、どちらの場合も母指球筋群の委縮がみられる。 ※母指球筋群:手のひらの親指側の膨らみの辺りにある筋肉群 知覚障害 手掌橈側(手のひらの中央より親指側)にみられる。また、示指(人差し指)中指の背側(手の甲側)の末…

手根管症候群

正中神経が手根管の部分で圧迫を受けることによる神経障害。 骨折・手関節部分の外傷や、手を高頻度で使う職業に従事することで起こりやすい。 人工透析で発生頻度が上昇する。 ガングリオンによる圧迫により起こる事もある。手の使用後や夜間に正中神経支配…

単神経炎

単一の神経に対する障害を単神経炎という。 手根管症候群・正中神経麻痺・顔面神経麻痺などがある。 外傷・局所の炎症・血管障害・神経の絞扼(≒神経の圧迫)などにより発生する。 多発単神経炎 非系統的に複数の単一神経がおかされるものを多発単神経炎とい…

絞扼性神経障害

末梢神経の経路が解剖学的に圧迫を受けて発生する末梢神経障害のことを指す。 いくつかの好発部位があり、代表的なものとして胸郭出口症候群(斜角筋症候群・肋鎖症候群・過外転症候群)が挙げられる。同じ神経が圧迫を受けている時でも、障害レベルが異なる…

骨の組織への生理的効果

長期間の療養などで安静を保っていると骨・筋肉などの委縮が起こる。 この委縮によって筋肉だけでなく骨の重量が減少することが確認されている。 徒手療法の刺激や運動法(マッサージなどに存在する施術法の1つ)は骨の重量の減少を予防する効果が認められる…

変形性脊椎症

脊椎の退行変性(老化)による変形・椎間板の狭小を特徴とする疾患。 肥満・重労働により発症時期が早期化する。 脊椎の脊椎管の部分に変形が起こった場合には脊柱管狭窄症に分類される。 頸部脊椎症(変形性頸椎症) 40歳以上の男子に多くみられる。 発症初…

静脈瘤

静脈、特に皮膚に近い場所にある静脈は拡大し、屈曲・蛇行・拡張する状態をいう。 立ち仕事に従事する中年以降のものや、妊娠後の女性に多い。 患部がある側の足全体もしくは一部に痛み・疲労感を感じる。歩行時・起立時に顕著に見られる。 長期間続くと慢性…

変形性膝関節症

関節面の軟骨がすり減ることで関節を動かす際に痛みを感じるようになる。 変形性関節症の中で膝関節が最も多い。 中年以降の女性に多くみられる。 運動開始時に痛みが出る。症状が進行すると ・関節液の貯留(膝に水が貯まる) ・骨棘の形成(不要なコブ状の…

むち打ち損傷

追突事故などで頭部が前後に大きく揺れて、頭から首にかけてムチのような衝撃を受けることで発生する頸椎捻挫の総称。 頸部痛のほかに頭痛・眼痛・耳痛・聴力低下・視力低下・吐気に加え、動悸・不眠などの自律神経の不調による症状などが生じる。 心理的要…

急性腰痛症(ぎっくり腰)

腰をひねったり、重い物を持ち上げたときなどに急に腰の筋肉が痙攣・収縮を起こし腰痛が出現する。 通常は安静時には痛みが無く、腰を動かした時に痛みが出る。 (重度のぎっくり腰の場合には安静時にも痛みが出る事がある) このような症状を契機に椎間板ヘ…

脊柱管狭窄症

脊柱管(脊椎の中にある脊髄が通る通路)が骨の増生や靭帯の骨化・肥大などで狭くなり、脊髄や神経根が圧迫され神経症状が発現する。 ※脊柱管:脊椎の中にある脊髄が通る通路 ※神経根:脊髄から枝分れした神経は、末梢(手、足など)へ向かう。神経根とは脊…

脊椎分離・すべり症

脊椎分離症 脊椎の椎弓関節突起間部という部分が分離している。 ※ここで言う分離とは、骨性の連結が断たれた状態を指す。 日本人の5%に存在すると推定される。 第五腰椎(約90%)、次いで第四腰椎に多い。 成因としては諸説あり、先天性・外傷・形成不…

椎間板ヘルニア

ヘルニアとは「はみ出す」ことを意味し、椎間板のはみ出し方によって側方ヘルニア・後方ヘルニア・後側方ヘルニアに分類される。 発生部位によって「頸椎」椎間板ヘルニア・「腰椎」椎間板ヘルニアのように呼ばれる。 障害される神経の部位によって痛み・筋…

脊柱側弯症(側弯症)

先天性側弯症 脊椎・肋骨の奇形によるもの 後天性側弯症 ・特発性側弯症 最も多い側弯症で乳幼児型・幼児型・思春期型がある。 特に思春期型が多く、単に側弯症と呼ばれる時には思春期型脊柱側弯症を指す場合もある。 10歳以上〜成長停止までに発症し、成長…

斜頚

自然体のときに首(顔)が極度に傾いた状態になる。先天的・後天的 筋性・骨性 など、原因によって更に分類される。 先天的筋性斜頚 一方もしくは両方の胸鎖乳突筋の線維化(固くなる)・短縮が原因で生じる。※胸鎖乳突筋=首の部分にある筋肉で、頭を支えた…

急性腰痛(ぎっくり腰)

腰をひねったり、重い物を持ち上げた時などに急に発生する腰痛。腰部にテコの原理が働く場合には、軽微な力が掛かっただけで発生する場合もある。 安静にしていれば痛みは無いが、脊椎の運動(動かさなくても力を入れることも含む)で強い痛みが生じる。 ※患…

ガングリオン

関節胞の一部、または腱鞘の一部が膨張、隆起して形成された良性の嚢腫(のうしゅ)。※関節胞:関節部分を覆っている組織。中には潤滑液などが入っている。 ※腱鞘(けんしょう):腱が動く時に浮き上がりを抑えるために管の中を通っている。この管を腱鞘と呼…