各論

関節障害 Vol.2

動揺関節:靭帯・筋といった関節の支持機構や関節面の破損により関節が生理的範囲以上の可動性を示す場合を動揺関節と呼ぶ。関節捻挫:関節包や靭帯といった関節の支持組織に断裂などの損傷が生じた状態。 生理的な可動域を超えた運動が強制された場合などに…

関節障害 Vol.1

拘縮:主たる原因が関節包外の軟部組織に起因する関節可動域制限強直:主たる原因が関節構成体に起因する関節可動域制限。実際には両者を明確に区分することは難しい場合が多い。拘縮が長期化すれば関節構成体に二次的な変化が加わる場合もあり、逆に強直が…

9月の施術について 2

寒暖の差が大きく、露出部である首周辺の筋肉の温度低下がもたらす各種症状が増加傾向にある。患者側が訴える・訴えないを別に精査し、問題が有れば対応するよう心掛けたい。

9月の施術について

この時期、暑さは残るものの時折涼しい日も挟む。 エアコン使用時、涼しい時でも暑い時と同様の温度設定のまま過ごす人は多い。この為、過度に体は冷やされる。特に表皮が露出している部位の冷えは顕著である。 冷えからくる体調不良も多い事から、首元・足…

梅雨時の施術について

梅雨になると神経痛を筆頭に各種症状を訴える方が増える。 気圧の変化によって神経の感受性が変化することが、痛覚神経にも影響を与えていると考えられる。そのため、神経過敏(場合によっては神経鈍麻)を考慮した施術が求められる。施術開始時に行う予備的…

斜頸(先天性筋性斜頸) Vol.1

胸鎖乳突筋の先天性拘縮により頭部の傾斜を起こす。 拘縮の原因として、胎内での圧迫・遺伝性の胚種異常・分娩時外傷説などが挙げられる。頭部は患側に傾斜し、健側に回旋する。 患側の胸鎖乳突筋は短縮している。 頭部・顔面は非対称となる。 頸椎・胸椎上…

脊柱側弯症 Vol.2

後天性側弯症 ・特発性:もっとも多い ・神経筋疾患を伴うもの:ポリオ・筋ジストロフィー症・筋委縮症 など ・先天性異常と合併するもの◎特発性側弯症 乳幼児型・幼児型・思春期型があり、思春期型が最も多い。 思春期型は10歳以降に発生し、成長が停止する…

脊柱側弯症 Vol.1

先天性側弯症 脊柱・肋骨の奇形によるもの。・半椎体楔状形 椎体が楔状になっているもの・塊椎 上下の椎体が癒合しているもの・偏側性の椎弓や椎体 椎体の片方のみ癒合などの奇形が見られるもの

不定愁訴症候群に関する私見

肩こり・腰痛・首の痛みを含めた不定愁訴症候群の方の来院率が上昇している。 特に多い症状は「頭痛」「めまい」「ふらつき」である。 頭痛に関しては筋緊張型頭痛・片頭痛であるが、複合的な症状として不定愁訴症候群に含めて考える。通常、不定愁訴症候群…

肋間神経痛

肋間神経が何らかの原因で発痛する症状。 原因としては、骨・軟部組織が肋間神経を圧迫される絞扼性神経障害、帯状疱疹ウィルスが挙げられる。(他に疲労・極端な運動不足など)絞扼性障害による症状の場合、胸椎・肋骨の矯正、軟部組織の弛緩にて改善に向か…

五十肩

加齢とともに起こる変性を基盤とした肩の障害で、40-50代に好発する。 医学的には肩関節周囲炎と呼ぶ。 変形性肩関節症・棘上筋腱炎・上腕二頭筋長頭炎・肩峰下や上腕骨大結節周囲の滑液包炎などの症状を総合して肩関節周囲炎・五十肩と呼ぶ。 [特徴] ・肩関…

生理的湾曲について

人間の背骨(脊椎)には、理想のカーブ(湾曲)というものがあります。 首の部分:前方に反る 胸の部分:後方に反る 腰の部分:前方に反る 臀部:後方に反る というものです。 このカーブが存在することで、一か所に負担が集中することを防ぎ、全身で体重や…

頭痛雑感

頭痛の治療を望む来院者が年々増加傾向にある。緊張型頭痛と思われる頸部・側頭部(頭部側面)の筋緊張を伴う頭痛もあれば、片頭痛と思われる心臓の拍動に合わせた頭痛もある。これらの患者にみられる特徴としては、第二頸椎の歪みである。下部頸椎もバラン…

単神経炎

単一の神経に対する障害を単神経炎という。 手根管症候群・正中神経麻痺・顔面神経麻痺などがある。 外傷・局所の炎症・血管障害・神経の絞扼(≒神経の圧迫)などにより発生する。 多発単神経炎 非系統的に複数の単一神経がおかされるものを多発単神経炎とい…

絞扼性神経障害

末梢神経の経路が解剖学的に圧迫を受けて発生する末梢神経障害のことを指す。 いくつかの好発部位があり、代表的なものとして胸郭出口症候群(斜角筋症候群・肋鎖症候群・過外転症候群)が挙げられる。同じ神経が圧迫を受けている時でも、障害レベルが異なる…

骨の組織への生理的効果

長期間の療養などで安静を保っていると骨・筋肉などの委縮が起こる。 この委縮によって筋肉だけでなく骨の重量が減少することが確認されている。 徒手療法の刺激や運動法(マッサージなどに存在する施術法の1つ)は骨の重量の減少を予防する効果が認められる…

変形性脊椎症

脊椎の退行変性(老化)による変形・椎間板の狭小を特徴とする疾患。 肥満・重労働により発症時期が早期化する。 脊椎の脊椎管の部分に変形が起こった場合には脊柱管狭窄症に分類される。 頸部脊椎症(変形性頸椎症) 40歳以上の男子に多くみられる。 発症初…

静脈瘤

静脈、特に皮膚に近い場所にある静脈は拡大し、屈曲・蛇行・拡張する状態をいう。 立ち仕事に従事する中年以降のものや、妊娠後の女性に多い。 患部がある側の足全体もしくは一部に痛み・疲労感を感じる。歩行時・起立時に顕著に見られる。 長期間続くと慢性…

むち打ち損傷

追突事故などで頭部が前後に大きく揺れて、頭から首にかけてムチのような衝撃を受けることで発生する頸椎捻挫の総称。 頸部痛のほかに頭痛・眼痛・耳痛・聴力低下・視力低下・吐気に加え、動悸・不眠などの自律神経の不調による症状などが生じる。 心理的要…

椎間板ヘルニア

ヘルニアとは「はみ出す」ことを意味し、椎間板のはみ出し方によって側方ヘルニア・後方ヘルニア・後側方ヘルニアに分類される。 発生部位によって「頸椎」椎間板ヘルニア・「腰椎」椎間板ヘルニアのように呼ばれる。 障害される神経の部位によって痛み・筋…

脊柱側弯症(側弯症)

先天性側弯症 脊椎・肋骨の奇形によるもの 後天性側弯症 ・特発性側弯症 最も多い側弯症で乳幼児型・幼児型・思春期型がある。 特に思春期型が多く、単に側弯症と呼ばれる時には思春期型脊柱側弯症を指す場合もある。 10歳以上〜成長停止までに発症し、成長…

斜頚

自然体のときに首(顔)が極度に傾いた状態になる。先天的・後天的 筋性・骨性 など、原因によって更に分類される。 先天的筋性斜頚 一方もしくは両方の胸鎖乳突筋の線維化(固くなる)・短縮が原因で生じる。※胸鎖乳突筋=首の部分にある筋肉で、頭を支えた…

ガングリオン

関節胞の一部、または腱鞘の一部が膨張、隆起して形成された良性の嚢腫(のうしゅ)。※関節胞:関節部分を覆っている組織。中には潤滑液などが入っている。 ※腱鞘(けんしょう):腱が動く時に浮き上がりを抑えるために管の中を通っている。この管を腱鞘と呼…