むち打ち損傷

追突事故などで頭部が前後に大きく揺れて、頭から首にかけてムチのような衝撃を受けることで発生する頸椎捻挫の総称。
頸部痛のほかに頭痛・眼痛・耳痛・聴力低下・視力低下・吐気に加え、動悸・不眠などの自律神経の不調による症状などが生じる。
心理的要因や社会的要因も加わり症状が複雑化する傾向がある。

大後頭神経の痛み(頭痛)・三叉神経痛(顔面の神経痛)が発現する場合もある。

対処法

受傷直後から数日間は急性期であり患部に炎症が見られる場合が多い為、仰向けでの安静が望ましい。
特に座っている時に頸部痛・吐気・流涙が増悪するときには安静が必要である。

頸椎・上部胸椎に転位がみられる場合が多く放置すると慢性化する傾向にあるため、炎症が治まったことを確認した後に速やかに矯正することが望ましい。
特に炎症が鎮まった後も「首が回しにくい」「首を動かすと首や背中に違和感がある」場合には脊椎に転位がある場合が多い為、注意が必要である。
時に腹部・背中の胸腰移行部の脊柱起立筋に強い張りが見られる場合があるが、頸部と同時期に施術し解決することで全体的なバランスを整え、患部の負担を最小限にとどめる姿勢を作る。

※背中の胸腰移行部:ミゾオチの裏面あたり
※脊柱起立筋:脊椎の両側にある筋肉群