ストレートネック Vol.2

背骨には本来、生理的湾曲というものがあり、正常な頚椎は生理的湾曲によって前弯状態(前に反っている状態)になっています。
この湾曲が何らかの理由によって消失し、真直ぐな状態になっている首をストレートネックと呼びます。
ストレートネックの主な症状は、首・肩・肩甲骨周囲のコリ、上肢(腕・手)の痺れ、上肢が重い、上肢が異常に疲労を感じる などが挙げられます。

ここまで列挙すると、

ストレートネック=何らかの症状を引き起こす

と連想されますが、ストレートネックだから必ずしも辛い症状を引き起こすとは限りません。

[ストレートネックと症状発生の機序]

ストレートネックとは首の状態を示す用語です。ストレートネックになる事で、頚肩腕症候群胸郭出口症候群などの各種症状が引き起こされます。
反面、ストレートネックの状態であっても症状が出ない方もいらっしゃいます。

これは程度の問題だからです。
通常、下を向く姿勢を長時間保持することで、頚椎がストレートネックの状態へと変化していきます。この時に一時的な症状は出るのですが、休憩を取る・睡眠を取る などで改善することが有ります。
生理的湾曲が、どの程度真直ぐになっているかによって症状が、一時的なものになるか、慢性的になるかに分かれます。

[症状の予防]

健康維持健康増進では、難易度が違います。(これは様々な病気においても該当しますが)
健康維持とは、今ある健康を維持する事です。発症を未然に防ぐ事を目指します。
健康増進とは、今よりも良い健康状態を目指し働きかける事です。症状を改善する事を目指します。

健康の維持と健康の増進では、健康の維持の方が容易に出来ます。

これをストレートネックの症状に当てはめると、

健康維持:症状が出る前に休息を取り、悪化・慢性化を防ぐ。
健康増進:症状が出たので改善を図る。

となります。

つまり、首・肩が痛いと感じる前に適度な休憩をとるほうが、症状が出てからアレコレ改善策を計るよりも簡単に健康な状態を保つ事が出来るのです。

では、慢性化・激化した場合はどうでしょうか?

体に負担をかける行為を日常的に行う事で症状は慢性化・激化していきます。このため下を向く作業をするときに、適度な休憩が必要になったり、行為自体を制限することも必要になる場合が有ります。また、異常な姿勢が日常化することで、気付かない間に症状を悪化させてしまう場合もあります。この様な場合には、適度に頚椎を矯正し、良い姿勢を保つ働きかけが必要になってきます。
形が崩れた状態が日常化しているわけですから、自分自身でのコントロールが難しくなりますので、専門家に相談しつつ、生活改善と姿勢の改善を目指す事をお勧めいたします。